旧まるごとエキス装置概要

「まるごとエキス」の研究と開発

まるごとエキスタイトル まるごとエキス 圧力を利用して天然物をまるごとエキス化する研究は、広島県立食品工業技術センターで平成13年から始められ、平成15年9月には、「調味料の製造方法」 ※1(特許番号:第3475328)を取得するに至りました。

この特許は、タンパク質分解酵素を含んだ生のタンパク質食材に40℃?60℃の温度域で50MPa?100MPa(メガパスカル)の圧力をかけることにより、腐敗微生物の増殖を抑制しながら酵素の作用を促進させ、しかも熟成期間の短縮を可能とするものです。 例えば、カタクチイワシに使用した場合、24時間後にはタンパク質の分解・熟成が進み、ほとんどエキス化する。

当社は、この特許に含まれる基本技術に注目し、「当社ならこの特許に基づく装置化ができるし、幅広い分野の用途がある」と確信し、すぐに広島県よりライセンスを受けて装置の開発・試作※2にとりかかり、ついに平成17年秋、完成しました。また、この装置の用途に関しては、平成18年度から広島県立食品工業技術センターやその他の研究機関と共同研究していくことにしており、新たな用途の開発や新分野への展開が大いに期待されています。
※1. 特許権者/広島県 発明者/岡崎 尚 ※2. 特許出願中/株式会社東洋高圧
下記の写真は処理前のイワシを示しており右の写真はこのイワシを60MPa・50℃で24時間処理したものです。
肉も骨も全てなくなり、完全にエキスとなっていることがわかります。
まるごとエキス例
また、下記の表に示した数字は同装置で作ったイワシの分解エキスと輸入魚醤油(ナンプラー)、 大豆醤油を比較したものです。

表1 まるごとエキスの分析例(%)
分析項目イワシ分解エキス輸入魚醤油大豆醤油
食塩0.620.913.6
全窒素2.61.71.4
全アミノ酸量11.68.57.0
グルタミン酸1.51.21.2
表2  高圧処理後のイワシの一般生菌数
分析項目 未処理 25MPa 50MPa 75MPa 100MPa
イワシの菌数(/g) 3400/g 54000000/g 3100/g 1500/g 1800/g
まず食塩の含有量は1%以下、体に良いとされる全アミノ酸は大豆醤油の約2倍、輸入魚醤油の約1.5倍も含まれ、旨み成分のグルタミン酸でも上回っています。また、全窒素もとても高いので、コク味やあと味の良さが特徴といえます。
つまり減塩醤油としてでなく、スープやドレッシング、たれなどの隠し味的な利用もできるのです。 さらに健康食品の素材として注目を集めているタウリン、クレアチンもこの方法で製造されるエキスに含まれており、「まるごとエキス」は調味料のみに止まらず、健康食品、医薬品、化学など幅広い分野 で利用できる可能性をもっているのです。
まるごとエキス活用例

「圧力による微生物」の発育抑制

「腐敗しないから美味しい 」

圧力を高くすると微生物の発育が抑制されることは、かなり以前から知られていたが、細かいデータがなかった。今回、研究をすすめる中で腐敗に関係する微生物について、圧力による発育抑制条件は酵母が40MPa、大腸菌や芽胞菌は50MPa、乳酸菌においては70MPaで発育が抑制されることがわかった。生イワシの自己消化にこの結果を適用したところ、完全に腐敗を抑制しながら自己消化を進めることが認められた。

「分解エキス」の特徴

イワシ分解エキスのACE阻害活性を測定したところ、IC50が0.44と比較的高い値を示した。この分解エキスを用いて高血圧ラットへの長期投与試験を行ったところ、有意い血圧上昇抑制が確認された。さらに、本製法では原料魚に元々含まれるエキス成分(タウリン・クレアチンなど)が分解エキス中にそのまま含まれたので、健康食品の素材として今後の展開が期待される。

メディアにてご紹介いただきました。

「知恵の輪ニッポン」テレビ新広島にて紹介
日本経済新聞にて紹介
日刊工業新聞にて紹介